M単とはモータ単独運転のことを指します。他に単体運転と呼ぶこともあります。
M単はモータを新設した際に行うことが多いです。
このページではM単を行う目的を解説します。
M単とは?
M単の目的の前に、M単とは何かをもう少し詳しく説明します。
M単は図1のように、ポンプやファンなどの機械的な負荷と接続せず、モータだけを運転することをいいます。
M単を行う目的
では本題です。M単を行う目的は主に以下の3つがあります。
- 回転方向の確認
- モータ据付状態の確認
- インバータのチューニング
回転方向の確認
M単を行う目的の一つはモータの回転方向の確認です。
モータで稼働するポンプなどの負荷は逆回転ができないものがあります。
そのため負荷を接続する前に、モータの回転方向が負荷にとっての正方向かを確認します。
モータの健全性の確認
2つ目の目的はモータの健全性を確認することです。
例えば電流値や運転中の振動などを確認してモータの健全性を確認します。
負荷が接続された状態で電流値や振動の異常があった場合、原因がモータか負荷なのか絞れなくなります。
そのためM単によって先にモータの健全性を確認します。
インバータのチューニング
またモータがインバータ駆動の場合、インバータのチューニングのためにM単が必要になることがあります。
チューニングとはインバータがモータの抵抗やインダクタンスなどの特性を自動的に取得する試運転機能です。
チューニング方法はインバータの取扱説明書に記載されていますが、負荷に接続せずモータ単体で実施しなければならない場合があります。
そのためモータの新設や交換の際にM単を行います。
M単を実施する際の注意点
最後に実務面において、M単を実施する際の注意点を一つ。
M単を実施する際の工程はきちんと調整をしましょう。
例えば機械担当と調整ができておらず、M単を実施する前に負荷とカップリングを接続されてしまうこともあります。こうなると、せっかく接続したカップリングをもう一度外し、M単後にまた接続するというムダが発生します。
試運転においても関係者とよく話して工程管理を行いましょう。
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