工場などにある制御盤の中をみると、様々な色の電線で配線されています。実は配線の色にはルールがあります。
この配線の色のルールについて解説していきます。
制御盤の配線色のルール
制御盤の配線色は以下のように、回路の種類で分かれています。
青は直流制御回路
直流制御回路の場合、配線は青色を使います。
直流制御回路の具体例
直流制御回路は具体的には以下の回路があります。
- PLCへの信号のインプット、
- PLCからの信号のアウトプット
- 直流で動作するリレー回路
- パワーサプライからの出力
など。
赤は交流制御回路
交流制御回路の場合、配線は赤色を使います。
交流制御回路の具体例
- 交流で動作するリレー回路
- 交流電圧が供給されているモーターの制御回路
など。
交流制御回路は配線が黄色の場合もある
ちなみに交流制御回路では黄色の線を使っているケースもよくあります。(私の経験上です。)
黒は電力回路
黒色の線は電力回路に使われます。
直流制御回路の具体例
- モーターの動力回路(主回路)
- 制御盤の1次電源
など。
橙は例外回路
最後に橙色の線についてです。橙はいままで説明した回路に含まれない回路に使われます。例えばパルス信号の出力回路などです。
直流制御回路の具体例
- パルス信号回路
- レゾルバの入力回路
- 熱電対の入力
など。
制御盤の配線色はJISで推奨されている
さて、上で説明した配線色のルールですが、これはJISによって推奨された色です。正確にはJISB9960に記載があります。
配線色にルールがある理由は安全のため
JISB9960は機械類の安全性についての規格です。この規格の中で、配線の色を前項で説明した色にするよう推奨されています。
つまり配線の色を回路の種類で変える理由は、安全のためです。例えば電力回路と制御回路を混触させたりすると、非常に危険です。しかし配線の色が違えば、電線をみるだけで違う回路だと分かります。
色で識別することで、目視でどの回路か分かりやすくなります。そのため安全面からも良い影響があります。
ルールと異なる色を使っているケースもある
しかし、制御盤の配線の色についてネットで調べると「色は決まってはいない」と書いてあるサイトもあります。
これはある意味では正解です。なぜならJISは規格であって、法令ではないため、絶対に守らなければいけないものではないからです。
会社によって異なるルールがある場合も
会社によっては交流制御回路を赤に、直流制御回路を青にしている場合もあります。JISの推奨と真逆です。
これがダメなのか?というと、そうとはいえません。あくまでJISは規格であり、法令のように強制力がありません。
その会社や工場の都合によって独自のルールがある場合もあります。
まずはJISの推奨の色を覚えよう
結局、配線色に決まりがあるのか?という問いについては、どちらともいえません。しかし、多くの会社や工場ではJISの推奨に従って、社内のルールを決めています。
よって、まずはJISの推奨の色を覚えましょう。そうすれば多くの現場で対応できるようになります。まずは大多数が従っているルールを覚える。例外はそのあとです。
よってこのページで説明した色をまずは覚える。これを推奨します。
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